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崩れた形態の監獄

エキゾチック / Vehicle

絶望と私欲の檻に閉じ込められた者たちのために。

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Lore

崩れた形態の監獄

絶望と私欲の檻に閉じ込められた者たちのために。

バエルがヘルメットに映る自分の姿を覗き込むと、知らない顔が見つめ返してきた。やつれた頬と、片方の眼窩が虚ろに空いたその顔は、もう自分のものとは思えなかった。彼の鼻は凍傷にかかったかのように黒く変色し、痺れる疱疹は短時間で見るからに広がっていた。

彼の震える手の中で、ヘルメットが揺らぐ。バエルはオーブンに入れられたパンを焼く鋳鉄鍋の香ばしい匂い、抱擁の中で鼻を刺激するラベンダーの石鹸の匂い、そして暖かい毛布に包まれ、夜の安らぎへと導く洗いたての綿の匂いを思い出す。

近頃は過去の記憶がめまいを引き起こすようになっていた。ヘルメットを見つめて体を安定させようとしたバエルは、彼を見据える見慣れた目と零れ落ちそうな涙を見て顔色を失う。彼は独りになってしまった。

自分の脆弱さに苛立った彼は舌打ちをする。鼻など何の役にも立たない。バエルはこれまで若さを頼りにしてきたが、今は違う。

彼は歯ぎしりをして、鼻の鋭い痛みがついに麻痺してくるのを感じた。そろそろか。ドレドゲンは死が真の可能性を発揮する妨げになっていることにうんざりしていた。このような記憶は永遠に捨ててしまったほうが良い。

バエルは顔に手を伸ばし、親指と人差し指で死んだ鼻頭を掴んだ。

ブチッ!

バエルは素早い動きで鼻を顔から引きちぎった。鼻は小さな音を立てて地面に落ちる。突然、彼の掌が汗ばみ、目に涙が浮かび、吐き気が喉元まで昇ってきた。

バエルは恐怖を感じながらも、満足げな笑みを浮かべる。

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