Stats
| スピード |
|
0 |
Related Collectible
Lore
スプリント・フィニッシュ
万に一つの勝機を、最後の一瞬に。
「もうタルシス改革派からかなりいい話をもらってるんだ」プラクケシュが言い返した。
スパイダーが不満げに鼻を鳴らした。「ベックスが貴様のチンケなビジネスなんぞに何の用がある?」
プラクケシュは何も言わずに肩をすくめて嘲るような一言を無視した。「奴らはオッヅが聖なる計算によって算出されるものだと信じてた。テレメトリーみたいなものだってな。俺みたいな食わせ者が気まぐれに決めてるとは夢にも思っていなかったらしい。奴らは自分たちでオッヅを決めたいようだ」
スパイダーは玉座にもたれかかり、考え込む。にぎやかな音楽と会話の音がバーから奥の部屋に漂って来る中、プラクケシュとアウォークンのボディーガード、トゥルニクは大人しくエーテルフィズをすすった。
「俺に言わせりゃ5本目の腕だ」スパイダーがついに口を開いた。「賭け事は俺にとっちゃビジネスのほんの一部に過ぎない。わざわざ話をするまでもない」
「収入で言えばそうかもしれないな」プラクケシュが反論を始める。「だが、光の戦士の弱みを握る方法は他にないんじゃないか? 借金が帳消しになるなら回収部隊よりも良い仕事をしてくれるドレドゲンだっている。つまり、掴んだ弱みも取り分に含まれるってことだ」
スパイダーは笑い、小物の胴元にしては賢い人間だ、と静かに思った。元ガーディアンだということを考えれば、もう少し高く評価すべきだったのかもしれない。
「グリマーが1.2、あとは奥地の境界にある土地をやる。街中は無理だ」スパイダーがデータパッドを弾いた。「第… 3237番区画でどうだ。これが最後のオファーだ」
トゥルニクがプラクケシュに体を寄せて耳元で囁き、胴元が頷く。
「新しいスパローレースのスキマーボードも入れてくれ」プラクケシュが付け加える。「関節式の安定びれがついたやつだ」
「交渉成立だ」とスパイダー。「だが… 入手するのに1週間ほどかかる」
「それが済んで、グリマーが口座に振り込まれたら、賭け帳を転送する」
「短い引退生活を楽しむことだ」スパイダーが嘲るように言った。「来年の今頃には、ふたりともここに戻ってきてるはずだ。賭けてもいい」
「その賭け、乗った」そう言い残し、プラクケシュはここに来るのが最後であることを願いながら、スパイダーのアジトを後にした。