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Lore
アリッド・ランブラー
足元の砂に触れずに通り過ぎろ。
ドレドゲン・セレが広間に足を踏み入れると、教えを待つ新弟子たちが身を怯ませた。
だが広間の奥に、微動だにしない見習いがいた。彼女は暗黒のことなど恐れていなかった。
見習いになる以前、彼女はタハハーズと呼ばれていた。彼女のゴースト、ビートルはハイヴと仲良くなりたがるほど好奇心旺盛だった。だがビートルはもう死んでしまった。キチン質のシェルは潰され、見習いの名前と一緒に捨てられたのだ。だが彼女が実力を証明すれば、前よりもずっと素晴らしい名前を得ることができる。
「ドレドゲン・バエル様の言葉を授けよう。偽りなく己を知ることができない者は、真の自分の光に耐えることができない」セレは言った。
「お前」彼は前列にいたバラントの生徒を手で示した。まだ帝国のアーマーを身につけた元リージョナリーだ。広間にいるのは彼のように銃を構えることしか知らない見習いばかりだった。
「お前は己を知っているか?」
「はい」
「ならばそれを見せてみろ!」
バラントは自分の周りの暗黒を集め始めた。それは刹那、力強い暗黒のように見えたが、セレの応対の圧倒的な力に耐えきれず、シャボン玉のように消え去ってしまった。
「ドレドゲンになるということは、意志を持つということだ!」セレが叫んだ。「その自我は鋭く、清くなる! 今のお前たちは人を偽る肉に過ぎない!」
セレが手をひねると影が集まり、彼の体は広間に収まりきらないほど大きく膨らんだかのように思えた。これはシャボン玉などではなく、オスミウムほど高密度な影と意志だった。見習いたちはその力を耐え忍ぶことしかできなかった。
彼の力の根底から、囁きが湧き上がってきた。それは知覚と理解の縁で、辛うじて感じることができた。
セレは掌を広げ、支えていた名前を持たないバラントの体を手放した。
「我々は多くを成し遂げなければならない」彼は穏やかな口調で言った。「今もバエル様に選ばれた者たちが月とその彼方の真実を掘り起こそうとしている。お前たちも彼らのように貢献したいのであれば、まずはそれに相応しい人材になるのだ」
タハハーズと呼ばれた見習いは決意を胸に、顔を上げた。